ヒゲガンのブログ

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TENET/テネット: オペラハウス解明!

TENETオペラハウス:オペラハウス突入

説明不足にも程がある!

映画の冒頭7分弱。ノーラン監督の前作「ダンケルク」と同様に、徹底して説明が省かれ、緊迫感に満ちたオペラハウスのシーン。しかし、有名な史実ベースの「ダンケルク」と違って本作はオリジナルのフィクションである。説明不足にも程があるというもの。まだほとんど時間の逆行も出てこないのに、のちのカーチェイスや最終決戦のシーンを越える難解さとなっている。

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TENET/テネット:「いつから問題」の解釈

TENETいつから問題:可哀想なビル

「TENET テネット」を観た人の多くが悩む「いつから問題」 (勝手にそう呼ぶ)。これに関しては割と早い時期にRedditで見かけた解釈が腑に落ちて自分の中で消化済みだったのだが、その後も国内の考察ブログなどではあまり共有されていない気がするので書いておく。

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決定論と自由意志・素人メモ

決定論と自由意志:哲学の木

映画「TENET テネット」に関する考察 (別記事で掲載) の中で、本作が決定論ベースであることに気付くも、哲学については全くの門外漢ゆえ、ウィキペディアや哲学関連のブログをつまみ食いして回った。その際、恐らく素人にありがちな疑問や思考が色々と浮かんできたのだが、さすが哲学、切りがない (笑)。そこで一旦、現時点の脳のスナップショットをメモしておく。

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TENET/テネット: カーチェイス超全容

TENETカーチェイス:4台の車

全部入り! 超全容チャート

「TENET テネット」の中でも特に難解なカーチェイスのシークエンス。したがってネットにも考察や解説が溢れているが、タイムラインの概観と人物毎・順逆視点毎の行動ログを一度に俯瞰できる一覧性指向の資料があったら便利かも?と思い、作ってみた。映像にはないけど起きていたはずの出来事、脚本からの情報、自分の推す "ボルコフ241回収説" なども盛り込んだので名付けて「超全容チャート」。以下の考察と合わせて見てもらえたら幸いです。

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TENET/テネットの決定論的世界観

TENET決定論的世界観:MAGNE VIKING号

時間反転の基本ルール

映画「TENET テネット」の中では、回転ドア (turnstile) と呼ばれる特殊な設備によって人や物の「時間の向き」を個別に反転 (順行⇔逆行) できる。但し、逆行中も時間がマイナス1倍速で進むだけで、いわゆるタイムトラベルのようなジャンプはできない (1日戻るのに1日かかる)。また、時間の反転は一筆書きであり、逆行に入った人間は順行の自分と併存しつつ年を取り続ける。若返りはしない。再度反転して順行に戻ると、最初の逆行時点に達するまで3人の自分が併存することになる。回転ドアのサイズの制約か、劇中で反転するのは人や車の大きさ以下の物に限られており、船舶やヘリはすべて順行とみられる。これらを踏まえて、本作における時系列の概念、決定論的な世界観について考察してみる。

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